生命保険は契約者の権利でいつでも解約することができます。
結婚や出産、マイホームや老後など、ライフステージの変化に応じて必要な保障内容も変わり、現在の契約を見直すときがくるかもしれません。

今回は、生命保険を解約するときの注意点と、メリット・デメリットについて解説します。
また、あまり知られていない、解約せずに保険料の負担を軽くする方法を5つ紹介します。

生命保険の解約について

はじめに生命保険を解約するとはどういうことか説明します。
生命保険は契約者の権利であり、契約者の意思で自由に解約することが可能です。
解約した場合、保険料の支払いが無くなるのと同時に、保障も無くなってしまうことになります。

生命保険を解約することで、違約金などが発生することはありません。
ただし、解約返戻金がある商品の場合は、解約のタイミングによっては、支払った保険料を大きく下回ってしまうケースがあります。

生命保険の解約を検討する理由

生命保険を解約する理由として、以下のことが考えられます。

  • 保険料の支払いが負担
  • 保障内容が合っていない

保険料の支払いが負担

1つ目は、保険料の支払いが負担になっている場合です。

万が一の保障も大事ですが、生活に支障が出るほどの保険料を支払う必要ありません。
ただ、解約した契約を元に戻すことはできません。健康状態によっては、再度保険に加入できないケースもあるので、慎重に検討が必要です。

保障内容が合っていない

2つ目は、保障内容が合っていないケースです。

必要な保険金額や保障内容はライフステージに応じて変わっていきます。
就職や結婚、子供の誕生などがそれにあたります。上手に保障内容を見直すことで、保険料の負担を軽くしつつ、保障内容をよくできる場合もあります。

生命保険を解約するメリット

慎重に検討した結果、保険を解約する結論にいたることもあるかと思います。
解約することのメリットは以下の2つです。

  • 保険料の負担がなくなる
  • 解約返戻金を受け取れる場合がある

保険料の負担がなくなる

1つ目のメリットは、保険料に負担がなくなることです。

保険料の負担がなくなれば、その分家計の収支を改善できます。

解約返戻金を受け取れる場合がある

2つ目のメリットは、加入している商品によっては、解約返戻金を受け取れる場合があることです。

商品や加入期間、解約するタイミングによって解約金は上下します。場合によっては、支払った保険料以上の解約金を受け取れるケースもあります。
まとまったお金を受け取ることで、急な支出などへの対応が可能です。

生命保険を解約するデメリット

生命保険を解約するデメリットは以下の3つです。

  • 保障がなくなる
  • 解約返戻金が支払い保険料を下回ることがある
  • 新しい保険に加入できない場合がある

保障がなくなる

1つ目は、保障がなくなってしまうことです。

解約をすることで保障がなくなってしまいます。
また、保険は主契約を解約すると特約も解約になってしまうので注意が必要です。

例えば、主契約の終身保険は必要ないが、特約の医療保険は必要だという場合、医療保険には別で加入でする必要があります。

解約返戻金が支払い保険料を下回ることがある

2つ目は、解約返戻金が支払い保険料を下回ってしまう場合があることです。

特に契約して間もないケースでは、解約金がわずかしかない場合がほとんどです。
解約金は保険会社に問い合わせれば、契約の途中でも確認することができます。また、契約時に渡された設計書にも目安が記載されています。

新しい保険に加入できない場合がある

3つ目は、新しい保険に加入できない場合があることです。

生命保険の加入には多くの場合、健康状態の告知が必要です。
家計に余裕ができて、再度加入をしたいと思っても、健康状態によっては加入できない場合があります。

解約せずに保険料の負担を軽くする5つの方法

解約せずに保険料の負担を軽くする方法を5つ紹介します。
保険料は負担だけどある程度の保障は残したい、健康状態に不安があって解約は避けたいという場合には有効な手段となります。

  • 契約者貸付を利用する
  • 主契約を解約せずに、特約を解約する
  • 保険金額を減額する
  • 払済保険に変更する
  • 延長保険に変更する

契約者貸付を利用する

1つ目は、契約者貸付を利用する方法です。

契約者貸付とは、解約返戻金の範囲内で貸付を受けることができる制度です。
一定の金利はかかってしまいますが、カードローンよりは低く、自分で貯めた保険料が原資となるので、返済期限はありません。

借入期間中に保険金支払い事由が発生した場合は、保険金から借入金と利息が引かれて支払われます。ただし、返済をせずに借りた状態のまま利息が借入限度額を超えてしまった場合、保険契約が失効となるので注意が必要です。

主契約を解約せずに、特約を解約する

2つ目は、主契約を解約せずに、特約のみを解約する方法です。

主契約さえ残っていれば、特約を解約しても保険契約は継続されます。
ただし、特約によっては、新たに加入できなかったり、加入の際に改めて健康状態の告知が必要になるケースがあるので注意が必要です。

保険金額を減額する

3つ目は、保険金額を減額する方法です。

保険金額を減額することで、保険料負担を軽くすることができます。
解約返戻金があれば、減額した分の解約金が支払われます。また、減額をした場合、原則として元に戻すことはできません。

払済保険に変更する

4つ目は、払済保険に変更する方法です。

払済保険とは、「保険料の支払いをストップし、その時点の解約返戻金を元に、保険期間を変えずに、保険金額を減額」する方法です。

保険金額は減りますが、保険料負担を軽くすることができます。
また、商品によっては解約金の返戻率が上昇するケースもあります。

延長保険に変更する

5つ目は、延長保険に変更する方法です。

延長保険とは、「保険料の支払いをストップし、その時点での解約返戻金を元に、保険金額を変えずに、保険期間を短縮」する方法です。
保険期間は短くなりますが、保障額は維持することができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

生命保険を解約し、新たに保険に加入する場合、保険料が高くなってしまったり、新たに加入できないことがあります。
保険契約は解約以外の方法で、保険料負担を軽くする方法も存在するので慎重に検討する必要があります。