近年は政府による投資に関しての税制優遇や、金融庁の2,000万円問題もあって、投資に関する日本人の意識が高まりつつあります。
いざ、投資を始めようと思っても分からないことが多く、なかなか第一歩を踏み出せないのが現状ではないでしょうか?
今回は、投資初心者におすすめの資産運用方法、長期投資について解説します。
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なぜ資産運用が必要なのか?
現在の日本は長寿社会で、現役引退後のセカンドライフが人生を占める割合が大きくなっています。厚生労働省が2018年に公表した健康寿命は、男性が72.14歳、女性が74.79歳です。
健康寿命とは、日常生活が制限されることなく自立して生活ができる期間のことです。超高齢社会の日本では、若者が高齢者を支えるという構図になりつつあり、将来の年金原資の不足や、支給開始年齢の引き上げなどが懸念されています。
現在の超低金利の状況では、銀行にお金を預けていてもまったく増えません。
2019年に発表された金融庁の資料では、公的年金だけでは老後資金が2,000万円不足する可能性があると報告されました。
この結果を受けて、危機意識が芽生え、資産運用に興味を持った方も多いのではないでしょうか?
資産運用に取り組むことは、将来の老後資金確保を含め、人生のリスクヘッジにもつながります。
そのようなことから、資産運用の必要が高まっているといえます。
初心者こそ長期投資がおすすめ
投資をイメージすると、
- 短期投資 = 儲かる = リスクが高い
- 長期投資 = 儲からない = リスクが低い
と思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
そんなことはまったくありません。
確かに短期投資の方が、一時的な利益が高いかもしれませんが、長期投資も時間を味方につけることで利益の確保が可能で、初心者にこをおすすめの投資手法です。
長期投資のメリットとは?
長期投資のメリットは以下の2つです。
- 時間を味方に複利の効果が期待できる
- 短期投資に比べてリスクがかなり低い
- 売買手数料や税金のコストを抑えられる
それぞれのメリットについて解説します。
時間を味方に複利の効果が期待できる
長期投資のメリットの1つ目は、時間を味方につけることで複利の効果が期待できることです。
商品も基本的には複利の商品を選ぶことが大前提です。
「単利」と「複利」の違い
基本的なことですが、単利と複利について整理してみます。
単利とは、当初預けた元本に対してのみ利息が付くことです。
例えば、100万円を年利1%で預けた場合、1年間の利息は1万円です。2年目も元本に利息が付くので合わせて2万円となり、合計102万円となります。
福利とは、元本に対して増えた利息が元本に追加され、さらに利息が付くことです。
例えば、100万円を年利1%で預けた場合、1年間の利息は1万円ですが、2年目は101万円に利息が付くので、合計1,020,100円となります。
長期的にみると複利の効果は絶大です。
下記の例を考えてみます。
元本300万円を年利3%で20年間運用した場合。
【単利】元本300万円+利息1,775,342円=合計4,775,342円
【複利】元本300万円+利息2,418,334円=合計5,418,334円
元本、利率、期間が同じでも単利と複利ではこれだけの差がつくことになります。
72の法則とは?
72の法則というのをご存知でしょうか?
ちらっとは聞いたことはあるかもしれません。
複利でお金を運用した場合、お金が2倍になるおおよその期間が分かる計算式のことです。
下記のような計算式になります。
72÷金利=お金が2倍になるまでに必要な期間
例えば、100万円を複利で運用し、200万円になるまでの期間は下記のとおりです。
- 1%で運用 72÷1=72年
- 2%で運用 72÷2=36年
- 3%で運用 72÷3=24年
- 4%で運用 72÷4=18年
たった1%でも大きく違いがでることが分かります。
短期投資に比べてリスクがかなり低い
長期投資のメリットの2つ目は、一般的に短期投資に比べてリスクが低いことです。
短期的に大きなリターンを狙うことは失敗した場合の損失も大きく、精神面的にあまりよくありません。
基本は分散投資で、「商品」、「通貨」、「地域」、「時間」で分けることがポイントです。
世界的みれば経済は発展と成長を続けています。長期分散投資を行うことで安定した利益が期待でき、リスクを限りなくゼロに近づけることが可能です。
また、「時間」という部分ではドルコスト平均法が有名です。
ドルコスト平均法とは?
ドルコスト平均法とは、金融商品を定期的に決まった金額で購入する手法のことです。
価格の低い時は多く購入でき、高い時は少なく購入することによって平均購入価格を下げる効果があります。
例えば、5万円で株式を購入し、10年間運用したケースを考えてみます。
①1年目は1万円だった株価が、徐々に下がり5年目に2,000円になってしまいました。6年目から株価が持ち直し、10年目に1万円の株価に戻った場合。
②1年目は1万円だった株価が徐々に値上がりし、10年目に2万円になった場合。
上記のケースでは最終的にどちらが多くのお金を手にしたでしょうか?
答えは①となります。
売買手数料や税金のコストを抑えられる
長期投資のメリットの3つ目は、売買手数料や税金を抑えられることです。
投資には売り買いする際の売買手数料や、売却益に課せられる税金などがあります。短期的売買の場合は当然これらの費用が高くなってしまいます。
長期投資では、取引回数が少ないので費用が安く済み、利益を確定させない限りは税金も発生しません。
長期投資のデメリット
長期投資のデメリットを挙げるとすれば以下の2つが考えられます。
- すぐに利益が得られない
- 分散投資ができていないと時間とお金が無駄になる
それぞれのデメリットについて解説します。
すぐに利益が得られない
長期投資のデメリット1つ目は、すぐに利益を得られないことです。
リスク抑えてコツコツ積み立てて利益を確保することを目的にしているため、すぐに大きな収益は見込めません。
分散投資ができていないと時間とお金が無駄になる
長期投資のデメリットの2つ目は、分散投資ができていないと時間とお金が無駄になることです。
せっかく長期投資を行なっていても、分散投資ができていなければ、天災などの影響で市場が悪化した場合、これまでに利益が一瞬でなくなる可能性があります。
基本は長期投資と分散投資です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
資産運用に取り組むことは、老後への備えと人生のリスクヘッジへの第1歩です。基本はドルコスト平均法で、長期分散投資を心がければ、損失はは極力低く抑えられます。
まずは、少額でもいいので投資を初めてみることをおすすめします。